第30話 護国寺で幼女の霊鎮めを挙行

 全世界で乱暴狼藉を働いてきた超大国への報復として実行された、マンハッタンテロ発生の当日、地下鉄有楽町線護国寺駅に向かった。駅の階段を出ると、台風一過の蒸し暑い熱気が体を包むようにまとわりつく。歩道を100メートルほど進み、左へ折れると、あのA幼稚園が現A幼稚園入り口れた。そう、ここは東京文京区の護国寺内にある幼稚園である。この幼稚園に通う、なんと2歳の女の子が、近くに住む同級生の母親に殺害されたのである。一昨年起きた悲惨な事件である。まだ生々しい記憶として残っているので、しばらく実名は避けよう。犯行現場のトイレ

 そして幼稚園の入り口正面にある駐車場の左端に小さなトイレがある。このトイレがまさに事件の現場である。女子トイレの入り口には今でも、生花が手向けられ、冥福を祈る人々の心が伝わってくる。怪奇巡礼行主宰者も呪文を唱えつつ手を合わせた。霊鎮めの作法を終え、写真を数枚撮り終えたその足で、護国寺の本堂へ向かい、ここでも冥福を祈ることにした。

 護国寺の境内を出ると、高層マンションが建ち並ぶ国道に出る。周辺の住人は、大型ダンプやバスが吐き出す大量の一酸化炭素を日常的に呼吸しながら、ストレスの固まりを心の奥に抱いて生活を続けている。先ごろ開廷された公判で、殺人罪に問われている主婦・山田みつ子被告の弁護側最終弁論では、母親同士の付き合いなどでストレスを溜め、うつ状態となり、とっさに起こした犯行であるとして、犯行の計画性を否定。また被告は、9年間にわたって摂食障害に陥りトイレの前には小さな生花が、「摂食障害に端を発した強迫性障害と事件直前の抑うつ状態という病的要因が影響」して犯行に及んだとしている。そして検察側が主張する殺人・死体遺棄による懲役18年求刑は他の殺人罪と比べて重過ぎると結論付けた。

 自分の子供と同じ歳の幼女をよくも手にかけられたものである。幼女連続誘拐殺人に問われている宮崎勤と同様に、正気を逸した精神状態でなければ、とうていできない犯行である。御霊が迷うことなく、昇ってくれることだけを祈ろう。しかしここで撮った写真には、女の子の亡霊が浮き出ている